2010年02月05日

自己責任

さすがに連日グダグダしているとやることがなくなってきました。
でも本はいっぱい読めて良いね。あと昼寝もできます。
このままいくと第3次成長期に突入するかも。願わくば縦方向に!

ところで、こないだ西都の図書館に行って借りてきた本が
結構面白かった。

デヴィッド・シーベリーという心理学者の本。
山ほど本を書いている大先生・加藤諦三氏の訳で読みやすい。

今まで心理系から夢・目標実現を目指す自己啓発本や、
スピリチュアル、オカルト系といろいろ読んできたけれども、
いろいろ読んで分かったのは、私は金持ちになって、セレブで、
豊かで、カレに愛されて、幸せいっぱいで・・・といった
愛欲・物欲・名誉欲を全肯定し、とにかく追い求めようとする
姿勢の本はかなり好きじゃないってことだった。
そういう「もっともっと」を連呼する生き方はあんまりしたくない。
お金やら美貌やらが欲しい人も多いだろうけど、人はいろいろだから
欲しいもの、譲れないもの、死んでも守りたいもの、それらは
本当に人によってまったく違うと思うし。

マスターやらグルやらからステキな教えを請うのは結構だけど、
そのマスターが高級車に乗ってやってきたとか、家に行ったら
見たこともない調度品でいっぱいだったとか、使用人が何人も居たとか、
そういうシーンがあるといきなり幻滅する。
彼に会っただけで愛に満ちていると分かった、とかその辺の言い回しも
あんまり好きじゃない。
「私、とっても幸せなの」って声高に言いふらす人は「口に出して言わなきゃ
幸せかどうか自信がないんだな」って思うし、
「あなたのことを愛しています。世界中は愛に満ちています」って言う人は
この人にとっての愛って空気とか物理法則とかそういうありふれて普遍なものを
指してるんだろうなって思う。

そんなにイヤなら読まなきゃいいんだけど、中にはキラリと光る本もあるから
やっぱり乱読しちゃうんだよね~。基本的に新しい情報を探すのが好きだから。
自分とは違うものの見方、はっとするような新たな観念、そういうのを
見つけると脳がわーって喜ぶ感じがする。私にとっては最も大きな快感。

最近のお気に入りはアルボムッレ・スマナサーラ長老の本なんだけど、
エックハルト・トールの「今ここに生きる」的な考え方を知った後に
スマナサーラ長老の本を読むと、ほほーとよりよく分かる。
石原加受子さんの本も結構分かりやすくてよい。
それらを踏まえたうえで、この「もっと強気で生きたほうがうまくいく」を
読むと、すごくクリアに理解できる気がする。

この本の中で、おおーと思ったのは自分は自分以外になれない、
というくだり。
体を作っているのは両親からの染色体。これによって体は
丈夫になったり、弱くなったりするし、優秀な能力を持ったり、
頭脳が人並み程度になったりする。
それにあなたが気づいているにしろ、そうでないにしろ、
こんなことはあなたの責任ではない―。

人間の体というのは自然が支配している。
感情はホルモンや体調に左右されるし、理性的な知性でさえも
脳の構造やクセ、五感をつかさどる神経などによって捻じ曲げられる。
自分を押さえつけて自分以外の何者かになろうとすること。
そんなことはうまく行きっこないし、被害は甚大なものとなる。
猟犬に家の番ができないのは、本人の努力不足や、根性が足りないから、
ましてや家族への愛情が足りないせいではない。
単に、彼の持つ肉体が、本能が、家の番に向いていないだけなのだ、と。

人間は見てくれが大体似通っていて、目が3つある人が居たり
手足が6本あるとかそういう外見上の多様性はないから
つい自分と他人は同じようなもので、機能も似通っているんだと
思い込みがちだけど、本当は全然違う。
Aさんにとっては楽勝なことでも、Bさんにとっては血反吐を吐くほど
苦痛な事だってあるわけだ。

ここ数日間で、思ったことがある。
人は、自分に関わることについての判断を他人に委ねると
絶対に不幸になる。
どこで働くか、どの学校に行くか、誰と結婚するか、
子供を産むか産まないか(女性の場合ね)。
もちろん周囲の人と話し合うことはあるだろうけど、最終的な
結論は自分で決めないといけない。
親がこう言ったから、彼が許してくれなかったから、
周りが反対したから・・・。
それは、理由にはならない。
たとえ親がこの学校に行けといっても、実際に願書を出し
試験を受けて、通うのは自分だ。
この仕事がいいよって周りに勧められても、毎日毎日
職場に行って仕事をするのは自分。
人の意見を聞いて、それはもっともだと思ったなら、
そしてその意見の通り進めたのなら、それはその人の言いなりに
なったのではなく自分の意志で決めたということ。

あと。
「この人が愛してくれないから私は不幸」とか
「仕事が○○だから、私の人生はつらい」とか
そういう風に自分の心理状況や幸・不幸の原因を外に
見出すのもやめたいなと思った。みっともないから。
親が愛してくれないから自分は不幸、なんてセリフが吐けるのは
せいぜい10代までだろう。
政治がどういう状況だろうが、周りからどう見られようが、
不況の嵐だろうが、自分の状態には何の関係もないはず。
いわば最強の自己責任論。

でも、今心がすごく落ち着いているのは、多分ヒマだからなんだろう。
睡眠時間が超足りているというのも原因だろう。
朝(9時)起きてみたらぽかぽかあったかいというのも一因だろう。
所詮、人の心なんてその程度のものなんだな~。
移り変わり、変化し続ける。
目に入る光、肌に感じる温かさ、いつもと同じ鳥の声。
それらを感じ取って、脳が化学反応を起こし、ホルモンが出て、
自律神経が内臓をコントロールして、思考が生じる。
人間も物体なんだよな~。いずれは朽ち果てる。
だからこそ、自分が一番大切だと思う「なにか」のために、
誠実に命を使い果たせたら、ステキと思う。
貴乃花親方の理事就任のニュースを見て、しみじみと。


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Posted by キナコ at 18:09│Comments(0)読書記録
 
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